相続登記の義務化(その2)

相続登記が義務化されるって本当?(2/2)

Q:
 『相続に関する法律が変わろうとしていて、相続登記が義務化されるようなことも聞きました。私たちの生活にどのような影響があるのか知りたいです。(その2)』

A:

 前回は民法や不動産登記法の改正案が閣議決定され、相続登記と住所変更登記の申請が義務化されるというお話をしました。今回は、それに伴って創設される予定の制度の概要をお伝えしたいと思います。

 まず、登記手続きの負担が減るように相続人のうち1人が単独で登記申請できるようになります。現在は相続発生後の遺産分割に期間制限がありませんが、今後はもし10年間届け出がなければ行政が法律で定める割合で遺産を配分する「法定相続」になります。また、行政が住民基本台帳ネットワークで死亡者を把握し、登記に自動的に反映する仕組みをつくったり、死亡者が名義人であった不動産の一覧情報を発行して親族が簡単に把握できるようにします。さらに、相続した土地の管理が難しい場合に一定の条件を満たせば土地を国庫に返納できる仕組みや、複数の人が所有する土地や建物の一部で所有者が分からない場合も改修や売却ができる制度が設けられます。まだこれらの制度の詳細までは明らかにされていないため、分かり次第お知らせできるようにしたいと思います。

 登記の専門家である司法書士は、これまでも相続登記を放っておくと相続人が枝分かれ式にどんどん増えて手続きが困難になるため、速やかに行ってもらうことを目的として各地で相談会等を行ってきました。今回の改正案については行政のシステム変更も必要になるため、相続登記の義務化は3年以内、住所変更は5年以内の施行に向けて進められる予定であり、前回もお話ししたように法施行前まで遡って過料を科せられることはありません。しかし、所有者不明土地の解消は急務であり、一人ひとりの速やかで適切な登記手続きによってその増加を少しでも抑えられるものと考えます。ぜひこの機会にご自身の自宅や所有している不動産の登記簿を見直し、必要に応じて整理してみてはいかがでしょうか。
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